広島の中心地から1時間ほどで行ける、廿日市(はつかいち)市「妹背(いもせ)の滝」。
到着すると、穏やかな流れの「雌滝(めんだき)」を眺めながら談笑する大人たちや、豪快な流れの「雄滝(おんだき)」の滝壺で遊ぶ子どもたちでにぎわっていた。激しい滝の音とみんなの遊び声がほど良く混ざり合い、にぎやかでも心地よい空間が広がっていた。
さらに、夜には「雄滝」がライトアップされていた。昼間とは打って変わって、大人も子どもも幻想的な滝の姿に見入り、水の音の中で静かに過ごしていた。
派手な装飾は一つもなく、人の手が加えられているのは必要最低限の環境設備とライトアップ機材のみ。ただそれだけの空間の中に、“人と自然のちょうど良い関係”を発見した。自然を壊すことなく、多くの人が自然を感じられる空間がつくりあげられていた。
私はこの夏、人と自然が織りなすちょうど良い空間を味わう貴重な体験ができた。
< にぎわいアドバイザー 池澤守の “ちょっと一言” >
人間と自然の営みが折り重なって続く世界、地球。持続可能な地球を取り戻すためには、人と自然とのちょうど良い関係を再構築する必要があるのです。