「にぎわい空間研究所」は、リアル空間にしかできない新しいビジネス価値の在り方を研究します

「空中店舗フィル・パーク」<br />
(コインパーキングと空中店舗の一体開発)
総 説
Report_Case17

「空中店舗フィル・パーク」
(コインパーキングと空中店舗の一体開発)

コインパーキングの“空中”に発見した全国6万カ所もの“未活用空間”
〜「コインパーキング+空中店舗」という斬新なビジネスモデルを創出〜

2018.07.27facebook

コインパーキングの“空中”に発見した全国6万カ所もの“未活用空間”

 従来の不動産活用の常識では事業化が困難だった"未活用空間"に脚光を当て、斬新な発想と先進的な技術、地道な事業努力によって新たな事業収益を生むことに成功した"未活用空間ビジネス"が次々と登場しています。
 にぎわい空間研究所では、この未活用空間ビジネスが新たなるにぎわい空間を創出する重要なムーブメントであると考え、代表的なビジネスモデルを研究テーマとして取り上げてきました。
 
①「ファーストキャビン」:老朽化した中規模ビルを再生する宿泊特化型のコンパクトホテル
②「スペースマーケット」:個人間(C to C)であらゆる未活用空間の利用をマッチングするシェアサービス
③「軒先ビジネス」「軒先パーキング」:"隙間スペース"の短期間での貸し借りをマッチングするシェアサービス
 
 そして今回は一連の"未活用空間ビジネス"研究シリーズの集大成として、コインパーキングの空中にテナントビルをプロデュースする株式会社フィル・カンパニーの空中店舗「フィル・パーク」事業を取り上げます。

 
ポイント① 「コインパーキング+空中店舗」という新たなるカテゴリー
 これまで研究してきた未活用空間ビジネスは、老朽化ビルや住宅や駐車場など、すでに不動産として現出した空間を活用するモデルでした。しかし、フィル・パークは、コインパーキングの「空中」に未活用空間を見出しました。「コインパーキング+空中店舗」という新たな事業カテゴリーを創出したのです。
コインパーキングの“空中”に発見した全国6万カ所もの“未活用空間”
コインパーキングの“空中”に発見した全国6万カ所もの“未活用空間”
土地活用におけるフィル・パークのポジショニングと「フィル・パーク表参道」の外観
 
ポイント② 土地活用の究極のワンストップサービス
 フィル・パークを手がけるフィル・カンパニーは建物を作るだけではなく、コンサルティングから、企画、設計、施工、さらには入居するテナントの誘致も保証する"究極のワンストップサービス"を実現しました。
 
ポイント③ 不動産投資の常識を覆す低投資高収益モデル
 フィル・カンパニーは、平均予算8,500万円の低投資で、年20.6%(※1)の高利回りを達成し、5〜10年の短期回収を可能にしました。投資回収に20年を要する不動産投資の従来常識を覆してしまうほどの破壊的なビジネスモデルを確立しました。「コインパーキング+空中店舗」という市場を顕在化させた同社は事業の将来性が高く評価され、平成28(2016)年11月、東証マザーズ市場への株式上場を果たしました。
 
 従来、都市部の土地活用を検討する不動産オーナーは、「商業ビルや賃貸マンションなどの容積率100%活用を前提としたハイリスク・ハイリターン型の不動産開発」で勝負に出るか、もしくは「コインパーキングや駐車場などのローリスク・ローリターン型の土地活用」で固定資産税等の土地の維持コストを賄うにとどめるか、という二者択一の選択を迫られてきました。しかし、フィル・パークという土地活用における “第3のソリューション”が登場したことによって、「コインパーキング+空中店舗というローリスク・ミドルリターン型の新しい土地活用戦略」を選択することが可能になったのです。
 未活用空間ビジネスは急速に拡大していますが、その対象となっている未活用空間は氷山の一角です。老朽化した公共施設や廃校、空き家や空き地、地方都市の商店街、閑散期のレジャー施設や平日の商業施設など、多くの未活用空間が存在します。そして、少子高齢化と人口減少の進行によって、未活用空間は加速度的に増えていくことでしょう。こうした社会課題を独創的な知恵と工夫で解決しながら、新たな事業収益を生み出す未活用空間ビジネス。にぎわい空間研究所では今後も、そのムーブメントを注視していきます。
 以上を踏まえたうえで、後述の研究レポートでは、全国に6万カ所以上が点在するコンパーキングの“空中”を事業活用するという突拍子もない発想を形にした空中店舗「フィル・パーク」の競争優位性を解明するとともに、コインパーキングという巨大市場における大いなる可能性を探っていきます。
※1 平成25(2013)年12月〜平成28(2016)年11月竣工分、フィル・カンパニー調べ。

記事中の情報、数値、データは調査時点のものです。
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